やくしまるえつこ「人類滅亡後の音楽」を遺伝子組み換え微生物で発表

2016年9月17日(土)~11月20日(日)まで茨城県北地域6市町の海と山を舞台に開催され、公式テーマソングをやくしまるえつこが手がける国際芸術祭「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」。このたび、やくしまるによるテーマソングの概要が発表されました。

http://kenpoku-art.jp/artists/etsuko-yakushimaru/

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やくしまるえつこ KENPOKU ART 2016 公式テーマソング

「(タイトル未定)」

 

「人類滅亡後の音楽」

人類は古来より伝達と記録によってその歴史を継続させてきた。
そして音楽の歴史もまた、伝達と記録、ひいては変容と拡散の中にある。

歌われ/奏でられた音楽は、口承で/楽譜で/ラジオで/レコードやCDで/クラウドで、他者に伝えられ/複製され/演奏され、その過程で変異を発生させながら時空を超えて拡散する。
音楽とメディアの深いかかわりは、伝達と記録の関係性であり、それは遺伝子とDNAであるとも言える。

「KENPOKU ART」が開催される茨城県北地域には自然と科学の深い結びつきがあり、それは人間のユニークな創造性によって深められ、多くのエネルギーを生んできた。
自然とともに科学技術を発展させることは、自然のもつ記録/DNAを読み解き、その意味する情報/遺伝子を人間ならではの科学技術や芸術に置き換えて伝えていくことでもある。そしてそのさいに発生する/させる変異には大きな生命力――存続のためのエネルギー――が宿る。

このように様々なエネルギーをもつこの地の海と山には、古くかららん藻(シアノバクテリア)の一種である微生物「シネココッカス」が生息している。
この微生物の塩基配列を組み込んだ楽曲を制作し、さらにその楽曲情報をコドン変換し、DNAを人工合成してこの微生物の染色体に組み込む。楽曲そのものはもとより、この遺伝子組み換え微生物そのものを「KENPOKU ART」のテーマソングとし、新しい音楽――伝達と記録、変容と拡散――の形を探る試みである。

この音楽をDNA情報にもつ遺伝子組み換え微生物は自己複製し続けることが可能である。いつか人類が滅んだとしても、人類に代わる新たな生命体がまたその記録を読み解き、音楽を奏で、歴史をつなぐことになるだろう。

 

やくしまるえつこ

 

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このテーマソング音源は「KENPOKU ART」会期スタートと同時(2016年9月17日~)に世界一斉配信されます。

また、芸術祭期間中は、関連展示会場としてFabCafe MTRLに新設されるバイオラボにて、この遺伝子組み換え微生物の実物が展示される予定です。

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■KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭

会期:2016年9月17日(土)~11月20日(日)

開催市町:茨城県北地域6市町(日立市・高萩市・北茨城市・常陸太田市・常陸大宮市・大子町)

 

*やくしまるえつこ KENPOKU ART 2016 公式テーマソング

「(タイトル未定)」

音源配信:2016年9月17日世界一斉配信

遺伝子組換え微生物展示予定:FabCafe MTRL

http://kenpoku-art.jp/artists/etsuko-yakushimaru/

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